anywaytrip diary

さまざまの、まとまりのない感想

『罪と罰』/2020.08.07 WOWOW 鑑賞メモ

東京のBunkamuraシアターコクーンにて2019年1月17日収録の『罪と罰』をWOWOWにて鑑賞。

罪と罰 | シアターコクーン | Bunkamura

罪と罰 | Bunkamura

https://www.wowow.co.jp/detail/114054/001

遠方だから···云々の理由関係なく、気になったものは理屈飛び越えて現場へ観に行くべきだろうなと改めて思った。映像で観られたからこそそう思う部分もあり、映像だからこそ細かな表情がはっきりと観られて有り難いとも思うけれど。

とにかく(映像であっても)観ることが出来て良かったと心から思う作品。迫力あり。

オープニングトークにもあったように、書籍で読むより『罪と罰』が分かりやすく舞台化されていると感じた。とはいえ、画面の隅々まで漏れなく見届けてられていない気がして、何度も観たいと思わせられた(こう思うとき、現場でなく残された映像だからこその醍醐味とも感じる)。

それぞれの登場人物の人間臭さがいい。綺麗事じゃない内面、理想、思惑、信仰心など。誰に注目して観るか。何度観たらちょっとは解ったような気になれるのか。各人物の表と裏の心情を考え始めると深みにはまる。

 

まだうまく感想をまとめられないけれど、取り急ぎの鑑賞メモを備忘録として。

(以下、印象的だった台詞の引用含む。)

今回はラスコリニコフにより注視して鑑賞!という意気込みで観始めた。

登場したときから、ラスコリニコフの手が既に乾いた血の色みたいになっている。黒っぽい赤というか。気にしなきゃ良いんだけど、気になってしまう。きっと意味があるんだろうなと。実際に罪を犯す前から、彼の心には罪に値する思想が蔓延している···を表現してる?

 

どんな人間にもいきば(行き場?生き場?)が必要です!ソーニャ父の言葉。


キリストにはかえられません(讃美歌) を思い出した。

映像だと、目線や目の動きがよく分かってよい。表情もよく見える。 

ベルの音

赦し
偽善者

古い現実の破壊

ポルフィーリとラスコリニコフの対話場面

どんな いきば も必要なんだ···ラスコリニコフの台詞

ソーニャがラスコリニコフに聞かせる聖書のシーン。

第四福音書 ヨハネ第11章
エス マルタ
心を騒がせた

 

自分でベルを鳴らすラスコリニコフ。これまでは自身の罪の意識からだったり、ポルフィーリの存在や彼の言動から、ラスコリニコフの頭の中で鳴り響いていたベルの音。それをポルフィーリのところへ自ら出向いて実物のベルを鳴らす行為。

 

どいつもこいつも殉教者になりたがる

そのうちきっと、慣れるよ

受難

人には帰る場所が必要だから

人生に背中を向けるな

汝求めよ
太陽になりなさい

ソーニャに促されて十字を切るラスコリニコフ。頭胸右左回りの順だった。ちゃんと正教会の順番なんだなと。当たり前だけど。初見時は余裕なくて気付いてなかった。

ソーニャから十字架を譲り受ける際、ラスコリニコフが木製のものを選択したこと。

 

ラスコリニコフは自白し、背後には大きな十字架。あれは、どんな罪人であってもイエスは共にいてくださる(イエスは私たちの罪のために十字架を背負ってくださった···の象徴の十字架?)から悔い改めよ、の意味なんだろうか。それとも人はいつでも悔い改めることができるという希望を込めてる?だからあのシーンは、ラスコリニコフが神々しく見えたんだろうか。

 

最後に出てくるパン。映像で観ると、ソーニャがラスコリニコフに分け与えるパンは丸くてふかふかして見える。正教会では最後の晩餐は過越の食事ではなかったと理解するので、カトリックのような酵母無しのパンでなく、通常のふかふかパンを用いているということか。(最後の晩餐を過越の食事でないでないと記しているのは、四つある福音書の中でもヨハネだけ)。何れにせよ、パンはキリストの身体のこと。パンを手で割いて分けて食べることは兄弟の交わりを意味するから、そういう動作でもラスコリニコフとソーニャの関係性を表しているんだなと。

この物語は時代背景だけでなくキリスト教の背景を知っていた方がより深く味わえるかなと思うと、物事は色々繋がっていて、目に見えるものだけをそのまま見るのではなく、その裏側や根底にあるものを含めて理解したいと感じた。

初めて観たときよりも今回の方がより味わえたように思う。予習なしで観るには難易度高い舞台かも。でも一度観ると何度も繰り返し観たくなる。

······ ······ ······

以前もWOWOWで視聴済みだったけれど、今回は以前とはまた違った心持ちになった。初見でなかった分、視覚に余裕を持てて、思考も少し余裕を持てて。感情はさらに揺さぶられた感。これはメイキング動画とインタビュー含めて円盤化されたら手元に置いておきたい。もっとじっくり観たいし、お気に入り場面は何度もリピートしたい。