anywaytrip diary

さまざまの、まとまりのない感想

『捨ててよ、安達さん。』第5話 感想

予告で使われていた台詞に「!」となって、実際にドラマを観たら文字起こししてしまった。第5話、かなり好き。

何がいけないの。周りの人に気を遣って何がいけないの。
私は考えてやってるの。技術でやってる。役者魂っていう曖昧なものに頼ってないの!
でもこれが私。こうでしかいられない。

「何がいけないの」は、本では「!」なのか「?」なのか不明だけど、両方込みのように受け取り、「周りの人に~」のところは「!」って付いてるみたいに感じて、安達さん格好いい!となってしまった。「技術でやってる」って言い切るところも。

全くもって勝手なイメージで、演者さんて技術というより才能という感覚で表現されて観る側を魅了していると思っていたので、「技術」という言葉に驚いてしまった。

容姿も魅力的で、もともと感覚にも恵まれている才能ある人だけが演者になれるのかと思っていたけれど、それプラス「技術」(と、それを習得するための努力)とは。

芸術学部の演劇科出身とか養成所出身って聞くと、どなたかに学ばれたのかなと思うけど、それ以外の人は「生まれ持った才能」だと思ってた。

 

安達さん(ご本人役)=あ

梶原ひかりさん(ご本人役)=か

あ:ドラマってチームで作るもの
か:私に興味あります?
溢れ出てしまう役者魂みたいなもの、ないんですか!?
あ:ないのかもね
小さい頃から人の顔色ばっかり窺ってきちゃってるからね
ずっと人の目を気にしてきたからさ
まぁそりゃそうなるよね
そんなんだから、気を遣わなくてもいい人にまで気を遣って、無駄に消耗して。わかってるよ。
何がいけないの。周りの人に気を遣って何がいけないの。
私は考えてやってるの。技術でやってる。役者魂っていう曖昧なものに頼ってないの!でもこれが私。こうでしかいられない。
か:捨てないでいいじゃん。
誰からも好かれたいという思いが、先輩をすっごく優しくて強い人にしたんだと思う。それにちょっとくらい嫌われたっていいじゃん。

 安達さんと仲良くなりたいという思いで、ぐいぐい寄っていく梶原さん(役)。ぐいぐい来る強い人って苦手だったけど、安達さんの夢の中で梶原さんの言い分を聞いてそういう考え方もあるのか~と思ったり。

話してみると、考えを率直気味に伝えてみると案外よく思えたり、見直すこともあるかもしれない。今回は案外いい人だったから良かった。(現実世界でも世の中いい人ばかりじゃないっていうのも事実としてはあるしね)。

真っ直ぐにぶつけてくる梶原さんの芝居を否定せず、熱いものがあるからいい的に自分とは違う他者を肯定する安達さんってやっぱり優しいんだな~と思った第5話。

目覚めたあと、テンション高めで現場入りの安達さん。ちょっと空振ってるところも可愛らしいエンディング。

ドラマを観ているのに、ドキュメンタリーを観ているような不思議な感覚。現実もドラマの世界も、遠いようで近しいところがあったり、演者さんも生身の人間(感情込みで)っていう点では観ている側と相違ないってことなんだな~と改めて思う。

 

 

ここ最近はよく、好きな舞台やMV、レコーディングのメイキング映像を繰り返し観ている。そして、完成した映像も観ている。今までは「作品」を先入観なく受け取りたくてメイキングは本編鑑賞後に観て、ただ素直に感嘆していたのが、今はちょっと違った気持ち込みで観てしまう。この第5話を観た後は更に。子役から活躍されている役柄設定の主人公が、「技術でやってる」という台詞(単なる台詞じゃなくて、リアルなんだろうなと勝手に解釈)。かなりの響いた。準備時間をもらえれば作り上げます、と同じくらいに。

ずっと以前から名前も顔も作品も一方的に存じ上げていて、でも勝手なイメージを持って深入りはせず、「この演者さんが好き!」となる瞬間はどこで来るのか予想できず。一度バシッと「この人!」となったら、過去まで辿って、やっぱりこの時もっと深く知ろうとしていれば良かった...となったりもして。きっかけの掴み取りが今後の課題。